2010年10-12月期の実質GDP~前期比▲0.4%(年率▲1.7%)を予測

2011年01月31日

(斎藤 太郎) 日本経済

  1. 2/14に内閣府から公表される2010年10-12月期の実質GDPは、前期比▲0.4%(前期比年率▲1.7%)と5四半期ぶりのマイナス成長になったと推計される。
  2. 駆け込み需要の反動などから民間消費が前期比▲0.7%と大幅な減少となったことに加え、円高の進展や海外経済の減速を背景に輸出が7四半期ぶりに減少したことから、外需が7-9月期に続き成長率を押し下げた。
  3. 実質GDP成長率への寄与度は、国内需要が▲0.2%(うち民需▲0.1%、公需▲0.1%)、外需が▲0.2%と予測する。
  4. 10-12月期のGDP統計は、昨年秋以降の景気足踏みを再確認するものとなることが見込まれるが、景気はすでに足踏み状態を脱却している可能性が高い。2011年1-3月期は、海外経済の回復を背景とした輸出の増加や、自動車、たばこの反動減一巡に伴う民間消費の持ち直しなどから、再びプラス成長となることが予想される。
  5. 名目GDPは前期比▲0.2%(前期比年率▲0.8%)と2四半期ぶりに減少するが、マイナス幅は実質よりも小さくなるだろう。GDPデフレーターは前年比では7-9月期の▲2.4%から▲1.0%へとマイナス幅が大きく縮小し、前期比では0.2%と3四半期ぶりに上昇に転じると予測する。ただし、たばこ税引き上げや生鮮食品高騰の影響が大きいため、デフレ脱却に向けた動きとは言えない。



経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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