貿易統計10年12月~10-12月期の外需寄与度は前期比▲0.1%程度のマイナスだが、輸出は持ち直しの動き

2011年01月27日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・輸出の伸びが大幅に拡大
・輸出数量はアジア向けを中心に持ち直しの動き
・10-12月期の外需寄与度は前期比▲0.1%程度のマイナスに

■introduction

財務省が1月27日に公表した貿易統計によると、10年12月の貿易収支は7,277億円の黒字となり、事前の市場予想(共同通信集計:4,344億円、当社予想は5,610億円)を大きく上回った。輸出の伸びが大幅に拡大する(11月:前年比9.1%→12月:同13.0%)一方、輸入の伸びが鈍化した(11月:前年比14.2%→12月:同10.6%)ため、貿易黒字額は2ヵ月ぶりに前年の水準を上回った。季節調整済の貿易収支は7,073億円の黒字となり、黒字幅は前月の5,360億円から大きく拡大した。円高の進行に歯止めがかかったこともあり、輸出(季節調整値)が4ヵ月連続、輸入(季節調整値)は3ヵ月連続で前月よりも増加した。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比11.5%(11月:同9.2%)、輸出価格が前年比1.4%(11月:同▲0.1%)であった。輸入の内訳は、輸入数量が前年比7.7%(11月:同15.5%)、輸入価格が前年比2.7%(11月:同▲1.1%)であった。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)