1月ECB政策理事会:インフレ警戒を強化

2011年01月14日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■見出し

・事前観測どおりの現状維持
・インフレ警戒を強化、金融政策と非標準的政策は「連動しない」
・EFSFの量的、質的改善は「急務」

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は13日に1月の政策理事会を開催し、事前観測どおり政策金利と非標準的手段についての現状維持を決めた。
声明文では、「短期的なインフレ圧力」があるとし、物価の動向を「極めて注意深く監視する」との姿勢を示すなど、インフレ警戒を強化した。
トリシェ総裁は、金融政策と資金供給や国債買い入れなど非標準的政策は「独立したもの」、「連動しない」とし、周辺国の信用不安が続いていても、インフレ圧力が一段と強まった場合には、非標準的手段を継続しつつ、利上げに着手する可能性を示唆した。
2月4日の首脳会議での合意が期待される欧州金融安定ファリシティー(EFSF)の規模と機能の拡大については「政府の決定事項」としながらも「急務」との認識を示した。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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