12月マネー統計:包括緩和フル稼働、資金供給量は4年8ヶ月ぶりに100兆円を突破

2011年01月12日

(上野 剛志) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・貸出動向: 銀行貸出残高は対前年▲2.1%
・マネタリーベース: 資金供給量は4年8ヶ月ぶりに100兆円を突破
・マネーストック: 定期預金等もマイナスに転じる

■introduction

日銀が発表した貸出・資金吸収動向等によると、12月の銀行総貸出(平残)の前年比伸び率は前月同様▲2.1%となった。前年割れは13ヶ月連続となり、減少傾向に歯止めはかかっていない。
内訳では、大きく減少している大企業向け貸出の影響を受けやすい都銀等が対前年▲4.7%と大幅なマイナスとなっている一方で、地公体向けなどの伸びなどに支えられた地銀(第2地銀含む)では同0.7%増と増加、二極化傾向が鮮明になってきている。(図表1~4)。
企業では、手元現預金が積み上がっており、貸出の反転には当分時間がかかりそうだ。

経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志(うえの つよし)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴

・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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