経済研究部 経済調査部長
斎藤 太郎(さいとう たろう)
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
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■見出し
・貿易収支が3ヵ月ぶりに悪化
・輸出の減速続くが、持ち直しの兆しも
■introduction
財務省が12月22日に公表した貿易統計によると、11月の貿易収支は1,628億円の黒字となり、事前の市場予想(共同通信集計:4,561億円、当社予想は3,987億円)を大きく下回った。輸出(10月:前年比7.8%→11月:同9.1%)、輸入(10月:前年比8.8%→11月:同14.2%)ともに前月よりも伸びを高めたが、輸入の伸びが輸出の伸びを大きく上回ったため、貿易収支は3ヵ月ぶりに前年の水準を下回った(前年比▲55.4%)。季節調整済の貿易収支は4,257億円の黒字となり、黒字幅は前月の5,757億円から縮小した。輸出(季節調整値)が前月比1.7%と3ヵ月連続で増加したが、輸入が前月比5.1%となり輸出の伸びを大きく上回った。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比9.2%(10月:同5.3%)、輸出価格が前年比▲0.1%(10月:同2.4%)であった。輸入の内訳は、輸入数量が前年比15.4%(10月:同5.7%)、輸入価格が前年比▲1.1%(10月:同2.9%)であった。
11月の貿易収支は輸入の大幅増加を主因として大きく悪化したが、今年の11月は休日(土日、祝祭日)が昨年よりも1日少なく、通関日数が多かったことが輸入の高い伸びの一因になっている可能性がある。このまま貿易収支の悪化傾向が続く可能性は低いだろう。
経済研究部 経済調査部長
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員