貿易統計10年10月~輸出の減速傾向が一段と強まる

2010年11月25日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・輸出の伸びが大幅に低下
・輸出は全ての地域向けで大幅に減速

■introduction

財務省が11月25日に公表した貿易統計によると、10月の貿易収支は8,219億円の黒字となり、事前の市場予想(共同通信集計:8,804億円、当社予想は9,167億円)を若干下回った。貿易収支は2ヶ月連続で前年よりも改善したが、輸出の伸びが9月の前年比14.3%から同7.8%へと大きく低下したため、改善幅はわずか(前年比2.7%)にとどまった。輸入は前年比8.7%となり、9月の同10.0%から伸び率が低下したが、輸出の伸びを若干上回った。
季節調整済の貿易収支は5,785億円の黒字となり、黒字幅は前月の6,113億円から若干縮小した。輸入(季節調整値)は前月比0.7%と5ヵ月ぶりに増加したが、輸出は前月比▲0.0%と6ヵ月連続で減少した。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比5.3%(9月:同16.1%)、輸出価格が前年比2.4%(9月:同▲1.5%)であった。輸入の内訳は、輸入数量が前年比5.6%(9月:同10.5%)、輸入価格が前年比2.9%(9月:同▲0.5%)であった。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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