景気後退は回避できるのか~月次景況感総合指数から見た景気動向

2010年11月12日

(斎藤 太郎) 日本経済

  1. 日本経済は2009年3月を底に比較的順調な回復を続けてきたが、円高の進展や海外経済の減速を背景とした輸出の減速などから、このところ足踏み状態となっている。
  2. 「景気ウォッチャー調査」、「ロイター短観」、「東洋経済エコノミスト景況感指数」を用いて当研究所が作成した「月次景況感総合指数」は、2010年9月に前月差▲0.2ポイントと1年7ヵ月ぶりにマイナスとなった後、10月には同▲0.4ポイントとマイナス幅が拡大した。
  3. 当指数が2ヵ月以上続けて低下したケースは、全て景気足踏みか景気後退局面入りしており、先行期間は概ね1~2ヵ月となっている。足もとの景気が足踏み状態にあることは確実であり、今後の焦点は景気が足踏みでとどまるか、それともこのまま景気後退に陥ってしまうかである。
  4. 景気動向指数(一致指数)を用いて簡便的にヒストリカルDIを作成すると、2010年8月から50%を下回っている。景気の低迷は今年度いっぱい続くという見方も少なくないが、その場合には、景気は足踏みではとどまらず、すでに後退局面入りしていたということになる可能性が高くなる。景気後退回避のために残された時間は意外に短い。


経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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