10月ECB政策理事会:非標準的手段の段階的収束の方針は変らず

2010年10月08日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■見出し

・政策金利は据え置き、流動性供給について追加的な決定もなし
・為替の過剰なボラティリティー、無秩序な変動は経済活動に負の影響を及ぼすと強調

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は、7日に政策理事会を開催した。政策金利は大方の予想どおり据え置きで、流動性供給についても追加的な決定も行なわれなかった。景気、インフレの現状判断と見通しに目立った修正がなかったことと整合的な結果と言えよう。
質疑応答では、最近の市場金利の上昇について「銀行の意志の反映」であり、非標準的手段の段階的収束を図る方針も不変とした。為替市場の動きについては「為替相場はファンダメンタルズを反映すべき」であり、「過剰なボラティリティー、無秩序な変動は経済活動に負の影響を及ぼす」との立場を強調した。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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