貿易統計10年8月~輸出の減速傾向強まる

2010年09月27日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・貿易黒字は15ヵ月ぶりに前年同月を下回る
・アジア向け輸出が特に低調

■introduction

財務省が9月27日に公表した貿易統計によると、8月の貿易収支は1,032億円の黒字となり、15ヵ月ぶりに前年の水準を下回った。事前の市場予想(ロイター集計:2,384億円、当社予想は1,607億円)を下回る結果であった。
輸入の伸びが前月よりも高まる(7月:前年比15.7%→8月:同17.9%)一方、輸出の伸びが大きく鈍化し(7月:前年比23.5%→8月:同15.8%)、輸入の伸びを下回った。季節調整済の貿易収支は5,897億円の黒字となり、黒字幅は前月の5,948億円から若干縮小した。円高の影響から輸出(季節調整値)は4ヵ月連続、輸入(季節調整値)は3ヵ月連続で前月よりも減少した。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比14.4%(7月:同25.5%)、輸出価格が前年比1.2%(7月:同▲1.6%)であった。輸入の内訳は、輸入数量が前年比19.1%(7月:同13.8%)、輸入価格が前年比▲1.0%(7月:同1.6%)であった。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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