2010年4-6月期 資金循環統計:個人金融資産は前年比微増の1445兆円

2010年09月17日

(上野 剛志) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・個人金融資産残高(2010年4-6月期末): 前期末比では▲12兆円の減少
・フロー(時価変動を除いた流出入額)の基調: 安全性重視、運用難の色彩強い

■introduction

2010年6月末の個人金融資産残高は1445兆円、前年比微増(5兆円増)となった。1年間で11兆円のネット資金流入があったものの、時価変動のマイナス影響▲6兆円(うち株式・出資金が▲5兆円、投信が▲2兆円)が響いた(図表1)。
四半期ベースでは、前期(2010年1-3月)末比▲12兆円の減少となった。4-6月期は一般的に賞与の支給月を含むことから、例年フローで流入超過となる傾向があり、今回も8兆円の流入超過となったが、株式・出資金、投信などの時価減少の影響▲20兆円がこれを上回った(図表2~4)。
前年比でも前期末比でも株安・円高が進むなど、運用環境はかなり厳しく、個人金融資産への逆風となって現れた形だ。

経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志(うえの つよし)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴

・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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