7月ECB政策理事会:金融政策は現状維持。ストレステストの結果は23日公表へ

2010年07月09日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■見出し

・政策金利は据え置き、流動性供給についても新たな決定はなし
・カバード・ボンド買い入れプログラムは終了、4422億ユーロの1年物資金も償還
・ストレステストについて踏み込んだ発言はなし

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は8日に政策理事会を開催、政策金利の据え置きを決め、流動性供給についての新たな決定は見送った。経済・インフレ・リスクの判断は据え置かれ、経済の現状は「一部の投資家が考えているほど悲観的ではない」との見方が示された。
前回理事会以降、6月末に期限を迎えたカバード・ボンド買い入れプログラムは終了し、7月1日の1年物資金供給の満期日は、3カ月物、6日物の金額無制限・固定金利の資金供給で対応が図られた。
質疑応答は、足もとのインターバンク金利の上昇傾向と7月23日の公表が決まった「ストレステスト」に集中した。「ストレステスト」に関してはCEBS(欧州銀行監督者委員会)が7日公表した内容以上の詳細に踏み込まず、「資本増強が必要な場合には適切な行動がとられることを期待している」とした。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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