貿易統計10年5月~輸出の伸びが大きく鈍化

2010年06月24日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・輸出の伸びが大きく鈍化
・アジア向け輸出が低調

■introduction

財務省が6月24日に公表した貿易統計によると、5月の貿易収支は3,242億円の黒字となり、12ヵ月連続で前年の水準を上回ったが、事前の市場予想(ロイター集計:4,800億円、当社予想は5,576億円)は下回った。輸出が前年比32.1%(4月:同40.4%)と伸びが大きく鈍化する一方、輸入の伸びが前年比33.4%(4月:同24.2%)と大きく高まったため、前年に比べた貿易収支の改善幅は前月よりも大きく縮小した。季節調整済の貿易収支は4,161億円と13ヵ月連続の黒字となったが、黒字幅は前月の5,077億円から縮小した。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比31.9%(4月:同39.5%)、輸出価格が前年比0.2%(4月:同0.6%)であった。輸入の内訳は、輸入数量が前年比22.2%(4月:同17.6%)、輸入価格が前年比9.2%(4月:同5.6%)であった。なお、このところ輸入価格の上昇率が高まっているが、これは原油価格上昇の影響が大きい。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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