6月BOE金融政策委員会:物価は上振れも、現状維持を継続

2010年06月11日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■見出し

・現状維持を継続、5月「インフレ報告」も前回から大幅な修正はなし
・資産買い取り残高は必要に応じて拡大方向にも削減方向にも動く構え

■introduction

イングランド銀行(BOE)は9日と10日に開催した金融政策委員会(MPC)で政策金利の0.5%での据え置きと資産買い取り(量的緩和)残高の2000億ポンドでの維持を決めた。5月の「インフレ報告」で示された見通しは現状維持の長期化を示唆する内容であり、今回も全員一致の決定であった可能性が高い。
予想される景気回復テンポが緩慢であるため、MPCの現状維持は当面続く見通しだが、内外の経済・金融情勢が不透明感の強い状況にあるため、BOEは必要に応じて柔軟な対応を講じることになろう。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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