4月マネー統計:銀行貸出は5ヶ月連続の前年比マイナスに

2010年05月13日

(上野 剛志) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・貸出動向: 日銀の「成長基盤強化のための資金供給」の行方に注目
・主要銀行貸出動向アンケート調査: 資金需要の減少が継続
・マネタリーベース: 緩和姿勢は当面維持
・マネーストック: 通貨供給量の伸び率は再び上昇

■introduction

日銀が発表した貸出・資金吸収動向等によると、4月の銀行総貸出(平残)の前年同月比伸び率は▲1.8%と前月(▲2.0%)からマイナス幅がやや縮小したが、5ヶ月連続のマイナスとなった。
比較対象である09年4月はリーマン・ショック後の金融市場の混乱に伴う貸出増加時期にあたり、反動が出ている面もあるが、貸出残高自体が減少傾向にあり、資金需要の低迷が効いているようだ。
今後の注目点は、先月の日銀金融政策決定会合にて検討が表明された「成長基盤強化の観点から、民間金融機関による取り組みを資金供給面から支援する方法」だ。銀行貸出にとってはプラス要因になるだろうが、どの程度実効性のある仕組みになるかがポイントだ(図表1~4)。

経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志(うえの つよし)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴

・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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