消費者物価(全国10年3月、東京10年4月)~高校授業料の無償化がCPIを押し下げ

2010年04月30日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・コアCPIの下落率は前月と変わらず
・物価下落品目数は全国では2ヵ月ぶりに増加も、東京都区部では3ヵ月連続で減少
・高校授業料の無償化がコアCPIを押し下げ

■introduction

総務省が4月30日に公表した消費者物価指数によると、3月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比▲1.2%となり、下落率は前月と変わらなかった。事前の市場予想(ロイター集計:▲1.2%、当社予想は▲1.1%)通りの結果であった。
食料(酒類除く)及びエネルギーを除く総合は前年比▲1.1%(2月:同▲1.1%)、総合は前年比▲1.1%(2月:同▲1.1%)となった。
コアCPIの内訳を見ると、電気代(前年比▲9.0%)、ガス代(前年比▲5.3%)は下落が続いているが、ガソリン価格(2月:前年比17.8%→3月:同16.4%)の高い伸びが続く中、灯油(2月:前年比8.2%→3月:同14.6%)の上昇幅が大きく拡大したことから、エネルギー価格が前年比0.1%(2月:同▲0.3%)と1年4ヵ月ぶりに上昇に転じた。
食料品(生鮮食品を除く)は前年比▲1.8%(2月:同▲1.4%)と8ヵ月連続の下落となり、下落幅は前月よりも拡大した。
コアCPI上昇率のうち、エネルギーによる寄与が0.01%(2月は▲0.02%)、食料品(生鮮食品を除く)が▲0.43%(2月は▲0.34%)、その他が▲0.77%(2月は▲0.83%)であった。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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