ドルの信認低下と通貨のパワーバランス

2010年04月26日

(上野 剛志) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

基軸通貨ドルの為替レートは長期的に下落傾向にある。近頃はギリシャの財政問題などからユーロの信認(信用力)に注目が移っているが、ドルの信認問題が解決したわけではない。
米国の双子の赤字問題や超大国としての地位低下から、今後中長期的にはドルの信認は低下し、価値が下落していくだろう。ただし、ドルのような主要通貨価値の方向性を語るとき、その通貨の話だけでは終わらない。ある通貨の価値が下落するためには、必ず別の通貨がその下落分を引き受けて上昇する必要が出てくるからだ。ドルの下落に応じて上昇する通貨はいったいどの通貨だろうか?
円は通貨として、先行きに弱い要素をいくつも有しているはずなのだが、ドル安を引き受ける役割を担わされる可能性がある。

経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志(うえの つよし)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴

・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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