消費者物価(全国10年2月)~下落品目数が1年4ヵ月ぶりに減少

2010年03月26日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・コアCPIの下落率は0.1ポイント縮小
・物価下落品目数が1年4ヵ月ぶりに減少
・4月以降、高校授業料の無償化がCPIを押し下げ

■introduction

総務省が3月26日に公表した消費者物価指数によると、2月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比▲1.2%となり、下落率は前月から0.1ポイント縮小した。事前の市場予想(ロイター集計:▲1.2%、当社予想も▲1.2%)通りの結果であった。
食料(酒類除く)及びエネルギーを除く総合は前年比▲1.1%(1月:同▲1.2%)、総合は前年比▲1.1%(1月:同▲1.3%)となった。
コアCPIの内訳を見ると、ガソリン価格(1月:前年比19.1%→2月:同17.8%)の高い伸びが続く中、灯油(1月:前年比3.0%→2月:同8.2%)の上昇幅が拡大し、電気代(1月:前年比▲9.7%→2月:同▲9.4%)、ガス代(1月:前年比▲7.0%→2月:同▲6.1%)の下落幅が縮小したため、エネルギー価格は前年比▲0.3%(1月:同▲1.0%)と下落幅が縮小した。
食料品(生鮮食品を除く)は前年比▲1.4%(1月:同▲1.5%)と7ヵ月連続で下落したが、下落幅は前月よりも縮小した。また、売上不振などから値下げの動きが続いていた家具・家事用品(1月:前年比▲5.5%→2月:同▲5.3%)、被服及び履物(1月:前年比▲1.4%→2月:同▲1.0%)も下落幅が縮小した。
コアCPI上昇率のうち、エネルギーによる寄与が▲0.02%(1月は▲0.08%)、食料品(生鮮食品を除く)が▲0.34%(1月は▲0.36%)、その他が▲0.83%(1月は▲0.86%)であった。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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