消費者物価(全国09年11月)~コアCPIの下落率は3ヵ月連続で縮小

2009年12月25日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・コアCPIの下落率は0.5ポイント縮小
・物価下落品目数は引き続き6割を超える
・コアCPIの下落率は12月以降、1%台前半で推移する見込み

■introduction

総務省が12月25日に公表した消費者物価指数によると、11月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比▲1.7%となり、下落幅は前月から0.5ポイント縮小した。事前の市場予想(ロイター集計:▲1.7%、当社予想も▲1.7%)通りの結果であった。
食料(酒類除く)及びエネルギーを除く総合は前年比▲1.0%(10月:同▲1.1%)、総合は前年比▲1.9%(10月:同▲2.5%)となった。
コアCPIの内訳を見ると、ガソリン(10月:前年比▲19.4%→11月:同▲5.3%)、灯油(10月:前年比▲37.1%→11月:同▲24.0%)の下落幅縮小を主因として、エネルギー価格が前年比▲7.9%(10月:同▲14.1%)と下落幅が大きく縮小した。食料品(生鮮食品を除く)は前年比▲1.2%(10月:同▲1.1%)と4ヵ月連続で下落した。05年10月以降、4年間にわたり上昇を続けていた外食は、牛どんの値下げ(10月:前年比▲0.3%→11月:同▲3.8%)などから、前年比0.0%の横ばいとなった。
コアCPI上昇率のうち、エネルギーによる寄与が▲0.67%(10月は▲1.28%)、食料品(生鮮食品を除く)が▲0.29%(10月は▲0.27%)、その他が▲0.71%(10月は▲0.70%)であった。コアCPIの下落幅縮小は全てエネルギー価格の下落幅縮小によるものである。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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