11月BOE金融政策委員会:量的緩和は3回目の増枠もペース・ダウンへ

2009年11月06日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■introduction

・政策金利は据え置き、量的緩和を拡大
イングランド銀行(BOE)は4~5日に金融政策委員会(MPC)を開催、政策金利の0.5%での据え置きと中長期国債等の資産買い取り(量的緩和)枠を250億ポンド増枠し、2000億ポンドに引き上げることを決めた。量的緩和の拡大は3回目であり、いずれも四半期に一度の「インフレ報告」の公表月に実施されている。
今回の増枠の決定は「今後の回復も鈍く大幅な生産能力の余剰が続く(声明文)」との判断に基づくものである。
今回増枠された250億ポンドの買い取りは「今後3カ月かけて行なう」とされており、過去3カ月余りの半分程度にスローダウンする。増枠の停止に向けた地ならしの段階に入ると解釈することもできよう。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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