11月ECB政策理事会:政策金利は現状維持、流動性供給の段階的縮小を示唆

2009年11月06日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■見出し

・レポ金利は6カ月連続で1%で据え置き
・景気判断は幾分上方修正
・インフレの現状判断と見通し、金融分析からの判断も従来と大きく変わらず
・流動性供給は段階的に縮小へ

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は5日に政策理事会を開催、大方の予想通り政策金利の据え置きを決めた。声明文には「金融市場の改善により、すべての流動性供給策が必要な訳ではなくなった」という近い将来の出口戦略の始動を示唆する表現が加わった。
景気の判断も幾分上方修正されており、12月の次回政策理事会では1年物の資金供給を12月で打ち切るなどの措置を決め、2010年にかけて、危機対応のために拡充された流動性供給の段階的縮小が進むことが予想される。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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