日銀展望レポート(10/30):3年連続のデフレ予想、CP・社債買取は年末、企業金融支援特別オペは年度末で終了

2009年10月30日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・展望レポート : 物価は3年連続のマイナスを予想、緩やかな回復シナリオを維持
・今後の政策運営 : 超低金利継続を強調し、利上げ期待の醸成を避ける

■introduction

日銀は30日、金融政策決定会合を開催し、「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)を公表した。日本経済は緩やかな持ち直しを続け、成長率は2010年度からプラス成長に回復するものの、消費者物価指数は2011年度まで3年連続で下落するとの見方を示した。
政策金利は現行の0.1%に据え置き、超低金利政策を継続して景気を粘り強く支援していく考えを示した。しかし一方で、CP・社債買い取りを年末で打ち切り、企業金融支援特別オペは来年3月末まで延長するものの年度末で終了することを決めた。昨年9月のリーマン・ショック後に導入された一連の緊急対策を打ち切るのは初めてだ。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)