日銀短観(9月調査)予測~大企業製造業・業況判断DIは12ポイント改善の▲36

2009年09月18日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

  1. 10月1日公表の9月調査・日銀短観は、大企業製造業・業況判断DIが2期連続改善を示すなど国内景気は最悪期を脱したと評価できる一方で、依然として多くのリスクが前途に待ち構えており、景気下ぶれ、2番底に陥るリスクを抱えているとの内容になりそうだ。
  2. 注目度が高い大企業製造業・業況判断DIは▲36と前回調査から12ポイントの改善。大企業非製造業は▲23と前回調査から6ポイントの改善となるだろう。中小企業については、製造業が▲54と前回調査から3ポイントの改善、非製造業は、▲43と前回調査から1ポイントの改善と予想する。
  3. 2009年度の設備投資計画(全規模・全産業)は企業収益が大幅に落ち込み抑制的にならざるを得ない。必要な設備投資は行うものの、総額は前年比で大きく絞るというスタンスに変化はないだろう。6月調査より0.3%上方修正(前年度比▲16.8%)されるが、9月調査としては低水準となるだろう。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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