5月マネー関連:銀行貸出は伸び率鈍化が続く

2009年06月08日

(上野 剛志) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・貸出動向: 5ヶ月連続で伸び率が縮小
・マネタリーベース: 日銀の大規模資金供給を反映し、前年水準を大きく上回る
・マネーストック: マネーは増勢、リスク回避の動きが続く

■introduction

貸出・資金吸収動向等によると、5月の銀行総貸出(平残)の伸び率は前年比3.3%と2008年12月(4.1%)をピークとして5ヶ月連続で伸び率が縮小した。景気低迷に伴って設備資金需要が減少しているほか、CP・社債市場の機能が回復しており、貸出需要が頭打ちになってきている。(図表1~3)
なお、従来より減少が続いてきた中小企業向け貸出については5月も引き続き前年比マイナスとなった。資金繰りが特に逼迫する年度末を越え、政府の緊急保証制度の利用は足元やや落ち着きが見られるが、倒産件数は増加傾向にあり、中小企業の資金繰りは依然厳しい状況が続いているとみられる。(図表4,5)

経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志(うえの つよし)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴

・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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