貿易統計09年2月~輸出の減少幅がさらに拡大

2009年03月25日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・貿易収支の赤字基調は継続
・自動車輸出は前年比7割減

■introduction

財務省が3月25日に公表した貿易統計によると、2月の貿易収支は824億円の黒字(前年比▲91.2%)となり、事前の市場予想(ロイター集計:▲109億円、当社予想は+1,814億円)を上回った。輸出は前年比▲49.4%(1月:同▲45.7%)と引き続き大幅な減少となったが、円高、原油安、内需低迷を反映し輸入の減少幅が1月の前年比▲31.9%から同▲43.0%へと急拡大したため、5ヵ月ぶりの黒字となった。ただし、季節調整済の貿易収支は▲433億円(1月:同▲3,954億円)と7ヵ月連続の赤字となっており、貿易収支の赤字基調は継続している。
輸出の内訳を数量、価格に分けて見ると、輸出数量が前年比▲45.4%(1月:同▲40.9%)、輸出価格が前年比▲7.5%(1月:同▲8.1%)であった。
輸入は、円高、原油価格下落の影響などから輸入価格が前年比▲23.7%(1月:同▲22.8%)と大幅な低下が続く中、国内需要低迷を反映し、輸入数量の減少幅が1月の前年比▲11.7%から同▲25.3%へと急拡大したため、前年比▲43.0%(1月:同▲31.9%)とマイナス幅が拡大した。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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