経済研究部 経済調査部長
斎藤 太郎(さいとう たろう)
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
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■見出し
・輸出額が前年比ほぼ半減
・米国向け自動車輸出は前年比8割減
■introduction
財務省が2月25日に公表した貿易統計によると、1月の貿易収支は▲9,526億円と4ヵ月連続の赤字となったが、赤字幅は事前の市場予想(ロイター集計:▲11,295億円、当社予想は▲14,996億円)を下回った。輸出の減少幅が前月の前年比▲35.0%から同▲45.7%へと拡大する一方、輸入の減少幅も前月の前年比▲21.5%から同▲31.7%へと拡大した。
季節調整済の貿易収支は▲3,649億円と6ヵ月連続の赤字となり、赤字幅は前月の▲2,142億円から拡大した。輸出額は08年10月の前年比▲7.8%の後、11月が同▲26.7%、12月が同▲35.0%と減少幅の拡大が続いていたが、09年1月には減少ペースがさらに加速し、前年比でほぼ半減となった。
なお、1月のアジア向け輸出の落ち込み(前年比▲46.7%)には旧正月(春節)の影響(昨年は2月上旬だった旧正月が今年は1月下旬)が含まれている可能性がある。中国海関総署は、1月の中国の輸入は旧正月の影響で前年比▲17%程度押し下げられたと発表している。アジア向け輸出の実勢を見るためには1月、2月分を均して見る必要があるだろう。
輸出の内訳を数量、価格に分けて見ると、輸出数量が前年比▲41.1%(12月:同▲29.9%)、輸出価格が前年比▲7.7%(12月:同▲7.3%)であった。
輸入は、円高、原油価格下落の影響などから輸入価格が前年比▲22.6%(12月:同▲15.5%)とマイナス幅が拡大したことに加え、国内需要低迷を反映し、輸入数量も前年比▲11.8%(12月:同▲7.1%)と二桁の落ち込みとなったため、前年比▲31.7%(12月:同▲21.5%)とマイナス幅が拡大した。
経済研究部 経済調査部長
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員