2月ECB政策理事会: 2%で据え置き、3月利下げを事実上予告

2009年02月06日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■見出し

・予告どおりの据え置き決定
・多くの材料が景気の急激な冷え込みとインフレ圧力の緩和を裏付け
・3月に50bp利下げ、さらに4~6月期の追加利下げでの政策金利は1%に

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は5日に政策理事会を開催、前回理事会後の記者会見で事実上予告したとおり、政策金利を過去最低水準の2%で据え置くことを決めた。前回理事会後に公表された新たな材料は、いずれも景気の急激な冷え込みとインフレ圧力の緩和を示すものであったが、これらは「前回利下げ時の予測通り(声明文)」であったことが予告通りの据え置きとなった理由である。
質疑応答の中で、トリシェ総裁は、「2%は最低水準ではない」、「次回利下げの可能性を排除しない」として3月理事会での利下げを事実上予告した。3月の利下げ幅は50bpとなる公算であり、4~6月期にはさらに1%までの利下げが行われよう。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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