2008年10-12月期の実質GDP~前期比▲3.0%(年率▲11.5%)を予測

2009年01月30日

(斎藤 太郎) 日本経済

  1. 2/16に内閣府から公表される2008年10-12月期の実質GDPは、前期比▲3.0%(前期比年率▲11.5%)と3四半期連続のマイナス成長になったと推計される。前期比年率二桁のマイナス成長は、1974年1-3月期(年率▲13.1%)以来のこととなる。
  2. 海外経済の急速な悪化を背景に、輸出が前期比▲13.2%、外需寄与度が前期比▲2.1%といずれも過去最大の落ち込みとなったことが大幅マイナス成長の主因である。国内需要も民間消費、設備投資の落ち込みなどから、前期比▲1.0%の減少となった。
  3. 日本経済は2007年10月をピークに景気後退局面に入っているが、当初は比較的緩やかな調整にとどまっていた。しかし、2008年9月のリーマン・ブラザーズ破綻に端を発する金融危機以降、景気の悪化スピードは急加速した。10-12月期のGDP統計では、内外需総崩れの状況が改めて確認されることになろう。
  4. 名目GDPは、前期比▲1.9%(前期比年率▲7.3%)と3四半期連続の減少となるが、実質の伸びは上回ると予想する。GDPデフレーターは前年比0.5%となり、消費税率引上げの影響があった1998年1-3月期以来、約10年ぶりにプラスの伸びとなろう。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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