CP購入3兆円を決定:社債購入についても検討

2009年01月22日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・CP3兆円購入を決定: 社債などさらなるリスク資産購入も検討
・成長率は08-09年度と2年連続のマイナス成長、物価は09-10年度とマイナス予想
・異例の措置ではあるが、事態はさらに悪化し、後手に回ったとの評価になる可能性大

■introduction

日銀は金融政策決定会合で、企業の資金繰り支援策としてCPなどを最大3兆円買い入れることを決定した。1年未満の社債の買い取りも検討する。政策金利は正副総裁を含む8人の政策委員の全員一致で、現行の年0.1%に据え置くことを決めた。
企業の資金繰り支援策として、CPに、中小企業の売掛債権などを担保としたABCPを加えて、合計で最大3兆円買い入れる。3月末までの時限措置で、CPの対象はa―1以上(これは約13兆円規模のCP市場の約90%以上が対象となる)。
また、残存期間1年以内の社債の買い取りを検討するよう指示したほか、J-REIT債も適格担保とすることも決めた。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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