経済研究部 経済調査部長
斎藤 太郎(さいとう たろう)
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
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■見出し
・経常黒字の大幅減少続く
・7-9月期の外需寄与度はほぼゼロに
■introduction
財務省が11月11日に公表した国際収支統計によれば、9月の経常収支は14,979億円の黒字(前年比▲48.8%)となり、7ヵ月連続で前年よりも減少したが、事前の市場予想(ロイター集計:13,800億円、当社予想は15,582億円)は上回った。
経常収支の内訳を見ると、貿易収支は8月の赤字(▲2,360億円)から2,471億円の黒字に転換したが、前年比では▲86.0%の大幅減少となった。海外経済の減速を受けて輸出が前年比2.1%の低い伸びにとどまったのに対し、原材料高の影響で輸入は前年比32.7%の高い伸びとなった。また、貿易収支の季節調整値は、8月の▲2,082億円の赤字に続き9月も▲766億円の赤字となった。
サービス収支は▲1,510億円の赤字となったが、赤字幅は前年よりも92億円縮小した。海外への旅行者の減少幅が拡大したことが収支の改善に寄与している。
所得収支は14,839億円の黒字となり、前年に比べ670億円の増加となった。円高の進展に伴い受取、支払ともに減少しているが、支払の減少幅(前年比▲18.9%)が受取の減少幅(前年比▲2.8%)を大きく上回った。
7-9月期の経常収支(季調済・年率換算値)は13.7兆円の黒字となり、4-6月期の19.2兆円から黒字幅が大きく縮小した。経常収支の名目GDP比は4-6月期の3.8%から2.7%程度にまで縮小したと見られる。
経済研究部 経済調査部長
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員