11月BOE金融政策委員会:150bpの大幅利下げを決定

2008年11月07日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■見出し

・景気後退によるインフレ見通しの下方シフトに対応
・政策対応は強化されたが市場の緊張は続く
・イギリス経済の先行きは暗く
・インフレリスクは大きく後退
・来年初にも追加利下げへ

■introduction

イングランド銀行は、5~6日に金融政策委員会(MPC)を開催、150bpの大幅利下げを決めた。声明文では今回の大幅利下げの理由を、「過去2カ月の世界の銀行システムの混乱」で「マネーと信用の状態は急激にタイト化」しており、「景気の後退はしばらく続く」ため、「インフレ見通しが決定的に下方にシフト」し、「150bpの大幅利下げが必要になった」と説明した。
今回の大幅利下げで次回12月3日、4日開催のMPCでの利下げの可能性は低下したが、景気の早期持ち直しは見込みにくく、来年初にも追加利下げを迫られるだろう。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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