2008年7-9月期の実質GDP~前期比0.2%(年率0.8%)を予測

2008年10月31日

(斎藤 太郎) 日本経済

  1. 11/17に内閣府から公表される2008年7-9月期の実質GDPは、前期比0.2%(前期比年率0.8%)と2四半期ぶりのプラス成長になったと推計される。
  2. 2四半期連続のマイナス成長はかろうじて回避されたと見られるが、4-6月期の大幅マイナス成長の後としては、きわめて低い成長にとどまった。内容的にも成長率を押し上げたのは、景気との関連性が低い公的需要と最終需要の弱さに起因した民間在庫の増加であり、国内需要の柱である民間消費、設備投資はともに4-6月期に続き前期比で減少した。また、2007年度まで景気の牽引役だった輸出は海外経済の悪化を背景に減速傾向が鮮明となり、外需は成長率を若干押し下げる方向に働いている。
  3. 日本経済は2007年末頃をピークに後退局面に入っていると見られるが、牽引役不在の状態が続いており、景気はここにきて一段と厳しさを増している。
  4. 名目GDPは前期比▲0.2%(年率▲0.7%)と2四半期連続の減少を予測する。GDPデフレーターは前年比▲1.7%となり、4-6月期の前年比▲1.5%からマイナス幅が拡大するだろう。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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