中国経済:7~9月期は9%成長、年間の二桁割れが濃厚に

2008年10月20日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■見出し

・景気は減速、インフレ率はピーク・アウト
・景気重視のスタンスは今後一層鮮明に

■introduction

10月20日に中国国家統計局が1~9月期の経済実績を公表、世界的な金融危機の広がりと景気の減速を背景とする中国の成長鈍化とインフレのピーク・アウトが確認された。成長率は7~9月期に前年同期比9.0%に減速、インフレ率は9月に前年同月比4.6%まで鈍化した。
1~9月期の成長率は9.9%となり、5年にわたり続いた中国の二桁成長に終止符が打たれる可能性が濃厚になった。中国は、すでに欧米の金融危機が広がった9月以降、2カ月連続で利下げと預金準備率の引き下げを行っている。景気重視の政策スタンスは、今後、一層鮮明になってくるだろう。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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