阿部 崇()
研究領域:
研究・専門分野
■目次
1--------日本の介護制度
2--------現状と課題(2つの側面から)
3--------課題への対応
4--------おわりに
■introduction
公的介護保険制度(以下、介護保険制度)は、医療、年金、雇用、労災に続く日本の5番目の社会保険制度として2000年4月にスタートした。これまで、老人福祉(行政の判断による措置)、老人医療(医療保険給付の一部)がそれぞれの枠組みの中で提供してきた高齢者への介護サービスが、専用の社会保険の仕組みによって提供されるようになった。
制度スタートから10年に満たない介護保険制度であるが、超高齢社会にあって、年金や医療と並び老後を支えるセーフティネットとしての重要性が高まっている。また他方で、制度が抱える問題点等も両制度と同様に社会保障のあり方に影響を与えるものとなっている。
本稿では、制度導入までの道のりを振り返った後、高齢者の重要なセーフティネットである日本の介護保険制度の現状把握、課題整理およびそれらへの対応や今後の見通しを広く考察していきたい。
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