経済研究部 経済調査部長
斎藤 太郎(さいとう たろう)
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
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■見出し
・コアCPI上昇率は2ヵ月連続の2.4%
・コアCPIは1%台後半で高止まりが見込まれる
■introduction
総務省が9月26日に公表した消費者物価指数によると、8月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比2.4%となり、上昇率は前月と変わらなかった。事前の市場予想(ロイター集計:2.4%、当社予想は2.3%)を若干上回る結果であった。
食料(酒類除く)及びエネルギーを除く総合は前年比0.0%(7月:同0.2%)、総合指数は前年比2.1%(7月:同2.3%)であった。
コアCPIの内訳を見ると、ガソリン価格の前年比上昇率が7月の28.7%から26.4%へと縮小し、コアCPIへの寄与度は7月の0.76%から0.75%へと若干縮小した。
一方、値上げが続く食料品(生鮮食品を除く)は、麺類(前年比13.3%)、パン類(前年比16.8%)、調理食品(前年比4.4%)などが引き続き高い伸びとなったことから、7月の前年比3.8%から同4.1%へと高まり、コアCPIの上昇寄与は7月の前年比0.86%から同0.93%へと拡大した。
コアCPIのうち、エネルギー価格による寄与が1.42%、食料品が(生鮮食品を除く)0.93%、それ以外が0.04%であった。
消費者物価指数の調査対象585品目(生鮮食品を除くと524品目)を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると(中間年見直しで追加された3品目はカウントせず)、8月の上昇品目数は305品目(生鮮食品を除くベース)と、7月の310品目からは減少したものの、引き続き5割を大きく超えている。下落品目数は160(7月は158)となり、「上昇品目割合」-「下落品目割合」は27.8%と7月の29.2%から若干低下した。さらに9月の東京都区部の上昇品目数は8月の273から9月には283へと増加しており、「上昇品目割合」-「下落品目割合」は8月に比べて3ポイント程度拡大している。物価上昇の裾野はさらなる広がりを見せている。
経済研究部 経済調査部長
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員