7月ECB政策理事会:25bp利上げは1回限りか?

2008年07月04日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■見出し

・政策金利は4.25%に引上げ
・追加利上げ観測を牽制
・排除できない追加利上げの可能性

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は3日開催の政策理事会で前回の記者会見で示唆したとおり25bpの利上げを決めた。トリシェ総裁のコメントからは前回利上げバイアスへの転換を示すために用いられた「警戒を高めている」が削除、「先行きの約束しない」としながらも、「バイアスはない」という言葉で中立姿勢への回帰と現時点では連続利上げの意図はないことが示された。
筆者はECBの利上げは今回1回限りをメイン・シナリオと考えているが、輸入インフレが長期化、インフレ期待が高まり、賃金と物価のスパイラルの傾向が強まった場合には、追加利上げに踏み切らざるをえなくなると見ている。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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