日銀短観(6月調査)予測~大企業・製造業5ポイントの悪化

2008年06月20日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

  1. 7月1日発表の日銀短観(6月調査)・業況判断DIは、足元・先行きとも大幅悪化となるだろう。大企業製造業が6と前回調査から▲5ポイントの悪化、大企業非製造業は8と前回調査から▲4ポイントの悪化と予想する。また中小企業については、製造業が▲13と前回調査から▲7ポイントの悪化、大企業非製造業は、▲21と前回調査から▲6ポイントの悪化と予想する。
  2. 今回調査は前回3月調査に比べ金融市場は信用不安が弱まり、過度の悲観論は後退している。ただし、消費低迷が続く中、原材料はいっそう高騰し企業をめぐる環境は厳しさを増している。
  3. 2008年度の設備投資計画(全規模・全産業)は3月調査より2.1%上方修正(前年度比▲3.2%)されるだろう。6月調査は3月に比べ企業の計画がしっかりすることから上方修正されるクセがあるが、企業収益の下ぶれ、先行き不透明感が強い中で、投資案件の先送りがでて上方修正の幅は過去の平均よりも小さくなると見込む。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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