毎月勤労統計08年4月~実質賃金の伸びはマイナス

2008年06月02日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・現金給与総額は4ヵ月連続で増加
・実質賃金の伸びは依然マイナス

■introduction

厚生労働省が6月2日に公表した毎月勤労統計によると、4月の現金給与総額(一人当たり)は前年比0.6%と4ヵ月連続で増加したが、3月の同1.5%から伸びが鈍化した。所定内給与が前年比0.5%、所定外給与が同0.7%、特別給与が同6.1%の増加となったが、3月(所定内給与:0.8%、所定外給与:4.0%、特別給与:8.9%)に比べるといずれも伸びは鈍化した。
常用雇用者数は前年比1.7%となり、3月の同1.9%から伸び率が若干低下した。内訳を見ると、一般労働者が前年比2.0%(3月:同2.0%)、パートタイム労働者が前年比0.8%(3月:同1.7%)となり、引き続き一般労働者の伸びがパートタイム労働者の伸びを上回った。最近は、パートタイム労働者の伸びが確報で上方修正される傾向があることには留意が必要だが、4月に施行された改正パートタイム労働法の影響で、パートタイム労働者から正社員への転換が進んでいる可能性がある。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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