亀崎審議委員講演(5/29)~景気下振れリスクは従来よりも高まっている

2008年05月30日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・講演:景気下振れリスクは従来よりも高まっている
・会見:商品価格の上昇は日本経済にとってプラスとマイナス面の両方がある

■introduction

亀崎審議委員が昨年12月26日以来の公演・会見を5月29日に行った(山形県金融経済懇談会)。
国際金融市場について「今回の金融市場の混乱の根は深く、米欧金融機関に不良債権問題をもたらすとともに、実体経済にも影響を及ぼしつつあるだけに、その収束には、なお時間を要する」、米国経済について「当面は停滞ないし緩やかな後退局面を続ける蓋然性が高くなっている」との見方を示した。
日本経済については、「減速している」とし、「減速感には、地域的な拡がりが伴ってきており注意が必要」と景気下振れリスクを指摘した。さらに物価について「静かな、しかし容易には下落しがたい商品群の物価上昇の根強さが窺える」として、物価上昇に対しても警戒感を示した。
金融政策運営については「不確実性が極めて高い状況のもとでは、先行きの金融政策運営について予め特定の方向性を持つことは適当ではない」と展望レポートと同様の見解を述べた。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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