4月マネー関連~預金通貨が大きく減少、企業の資金繰り悪化の可能性

2008年05月12日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・マネー:預金通貨が大きく減少、企業の資金繰り悪化の可能性
・貸出動向:足元運転資金需要増加で貸出伸び率高まる

■introduction

マネーサプライ統計(5/12日公表)によれば、4月預金通貨が、▲1.7%減と大幅な落ち込みを示したことなどから4月のM2+CDは前年比1.9%、広義流動性は2.8%とともに伸び率が低下した。
預金通貨の減少は、企業が資金繰り悪化等に伴い預金の取り崩しを行っている可能性が高く今後要注意だ(図表1.2)。
昨年夏場からの投資信託不振、定期預金などの準通貨増加の動きは今月も続いているが、準通貨については、7ヶ月ぶりに前月に比べて伸び率が縮まっている(図表3)。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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