1-3月期GDPは前期比0.9%(年率3.8%)を予測

2008年04月30日

(斎藤 太郎) 日本経済

  1. 5/16に内閣府から公表される2008年1-3月期の実質GDPは、前期比0.9%(前期比年率3.8%)と、潜在成長率を大きく上回るプラス成長になったと推計される。
  2. 外需寄与度が前期比0.5%と成長率を大きく押し上げたことに加え、民間消費の伸びが前期比0.6%と加速し、建築基準法改正の影響で2四半期続けて大幅減少となっていた住宅投資が前期比4.4%の高い伸びとなった。
  3. なお、GDP統計の季節調整は閏年調整が行われていない。閏年による日数増により、1-3月期の民間消費は前期比0.3%程度、実質GDPは前期比0.1%程度押し上げられていると試算される。
  4. 実質GDPは10-12月期に続き高い伸びとなったが、その一方で交易条件の悪化による海外への所得移転が進んでいる。国内の実質購買力を表す「実質国内総所得(GDI)」(=実質GDP+交易利得)の伸びは実質GDP成長率を大きく下回っている。
  5. 名目GDPは、前期比0.5%(年率2.0%)と増加するが、実質の伸びは大きく下回るだろう。GDPデフレーターは前年比▲1.6%と、10-12月期の同▲1.3%からマイナス幅が拡大すると予測する。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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