鉱工業生産08年2月~1-3月期の大幅減産は確実に

2008年03月31日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・生産指数は2ヵ月連続で大幅低下
・電子部品・デバイスの出荷が大きく落ち込む

■introduction

経済産業省が3月31日に公表した鉱工業指数によると、2月の鉱工業生産指数は前月比▲1.2%となり、1月の同▲2.2%に続き大幅な低下となった。事前の市場予想(ロイター集計:前月比▲2.1%、当社予想は▲2.4%)は上回る結果となった。出荷指数は、前月比▲2.6%と2ヵ月連続の低下、在庫指数は前月比0.1%と3ヵ月ぶりの上昇となった。
2月の生産を業種別に見ると、07年後半の生産を牽引していた電子部品・デバイスが液晶素子、半導体集積回路の減少などから前月比▲4.1%(1月:同▲3.8%)と2ヵ月連続で大幅な低下となった。一方、1月に大幅に低下した一般機械(1月:前月比▲2.3%→2月:同2.5%)、電気機械(1月:前月比▲4.3%→2月:同0.7%)は、その反動もあって上昇した。速報段階で公表される16業種中、10業種が前月比で上昇(6業種が低下)となった。
設備投資のうち、機械投資の一致指標である資本財出荷(除く輸送機械)は、1月の前月比▲2.3%に続き、2月も同▲0.9%の低下となり、1、2月平均では07年10-12月期よりも▲3.2%低い水準にある。GDP統計の設備投資は、07年10-12月期には前期比2.0%と高めの伸びとなったが、08年1-3月期は急減速する可能性が高い。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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