経済研究部 経済調査部長
斎藤 太郎(さいとう たろう)
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
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■見出し
・コアCPIは消費税率引き上げ以来の1%台に
・暫定税率期限切れにより、コアCPIは0.5%程度押し下げ
■introduction
総務省が3月28日に公表した消費者物価指数によると、08年2月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比1.0%となり、上昇率は前月から0.2ポイント拡大した。事前の市場予想(ロイター集計:0.9%、当社予想も0.9%)を上回る結果だった。
コアCPIの上昇率が1%台となったのは、消費税率引き上げ時(97年4月~98年3月)以来、その時期を除けば、1994年5月以来、約14年ぶりのことである。
原油価格の高止まりを反映し、石油製品が前年比17.5%(1月:同15.6%)と上昇率が高まったほか、パン(1月:前年比6.9%→2月:同7.6%)、めん類(1月:前年比3.4%→2月:同8.0%)、ぎょうざ(1月:前年比▲0.5%→2月:同1.2%)、外食(1月:前年比0.6%→2月:同0.9%)など、生鮮食品以外の食料の上昇率が1月の前年比0.9%から同1.2%へと拡大したことが、コアCPI上昇率の拡大に寄与した。
総合指数は前年比1.0%(1月:同0.8%)、食料(酒類除く)及びエネルギーを除く総合は同▲0.1%(1月:同▲0.1%)であった。
消費者物価指数の調査対象585品目(生鮮食品を除くと524品目)を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、2月の上昇品目数は272(生鮮食品を除くベース)となり、5ヵ月連続で半数を上回った(下落品目数は190)。
特に食料品(生鮮食品を除く)については、全体の6割近い品目が前年よりも上昇している。「上昇品目割合」-「下落品目割合」は15.7%で、1月の16.7%に続き高い割合となった。食料品を中心として、物価上昇が広範化する動きが続いている。
経済研究部 経済調査部長
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員