日銀短観(3月調査)予測~大企業・製造業5ポイントの悪化

2008年03月19日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

  1. 4月1日発表の日銀短観(3月調査)・業況判断DIは、足元・先行きとも大幅悪化となるだろう。大企業製造業が14と前回調査から▲5ポイントの悪化、大企業非製造業は10と前回調査から▲6ポイントの悪化と予想する。
  2. 今回調査は前回12月調査に比べてサブプライム問題の影響拡大、原油などの資源高、円高・株安、消費者心理悪化など、どの状況をとっても事態は一層悪化しており、景況感の大幅悪化は避けられないだろう。
  3. 2007年度の設備投資計画(全規模・全産業)は12月調査より1.2%下方修正(前年度比5.6%)されるだろう。今回初めて公表となる08年度計画は、全規模全産業で前年比▲2.5%と昨年3月調査の07年度設備投資計画(当初)を下回る水準を予想する。
  4. 日本経済は景気後退となるのかどうかの正念場を迎えている。今回の短観は「景気後退」が読みとれるかどうかが最大のポイントだ。新副総裁にとって「初めての短観」であるだけでなく、いきなり「利下げ模索の決定打」ともなりかねない重要な経済指標だ。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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