野田審議委員講演(3/12)~幾つか注意信号は点滅し始めている

2008年03月13日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・講演:循環メカニズムに幾つかの注意信号が点滅
・会見:赤信号に変わるリスクは否定しきれないが、瀬戸際にあるとの認識ではない

■introduction

野田審議委員の講演・記者会見が3/12日に行われた(群馬県金融経済懇談会)。
野田審議委員は、日本経済について「先行きこの循環が決定的に途切れてしまう蓋然性を示唆するような明確な証拠が揃っている訳ではない」としながらも「輸出を牽引車とした生産・所得・支出の循環メカニズムについて、幾つかの注意信号は点滅し始めている」との見方を示した。
世界的な金融市場の動揺に対して、11日、米欧5中銀が協調して資金供給対策を発表したことについて、「日銀としては国内市場が安定していることから、特に対応する考えはない」としながらも、「世界の金融市場には従来以上の注意が必要」だと指摘、「日銀内でも機動的・柔軟なオペ対応の重要性について認識を共有している」と述べた。
当然ではあるが、日銀総裁・副総裁人事の混迷について、コメントは聞かれなかった。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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