消費者物価(全国08年1月、東京08年2月)~石油製品、食料品による押し上げ続く

2008年02月29日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・コアCPIの上昇率は前月と変わらず
・石油製品、食料品による物価上昇圧力継続

■introduction

総務省が2月29日に公表した消費者物価指数によると、08年1月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比0.8%となり、前月と変わらなかった。事前の市場予想(ロイター集計:0.9%、当社予想も0.9%)を若干下回った。
原油価格の高止まりを反映し、石油製品が前年比15.6%(12月:同15.1%)と引き続き高い伸びとなり、食料品(生鮮食品を除く)の上昇率は12月の前年比0.7%から同0.9%へと高まった。一方、パソコン、薄型テレビなどの教養娯楽耐久財は前年比▲15.8%(12月:同▲15.0%)となり、引き続き物価を大きく押し下げた。
総合指数は前年比0.7%(12月:同0.7%)、食料(酒類除く)及びエネルギーを除く総合は同▲0.1%(12月:同▲0.1%)であった。
消費者物価指数の調査対象585品目(生鮮食品を除くと524品目 )を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、1月の上昇品目数は273(生鮮食品を除くベース)となり、4ヵ月連続で半数を上回った(下落品目数は186)。特に食料品(生鮮食品を除く)については、全体の6割近い品目が前年よりも上昇している。「上昇品目割合」-「下落品目割合」は16.7%となり、12月の11.5%から上昇品目の割合が大きく上昇した。食料品を中心として、物価上昇が広範化する動きが続いている。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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