貿易統計08年1月~米国向けの落ち込みが続く中、輸出全体は堅調維持

2008年02月21日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・貿易収支は3ヵ月連続で悪化
・EU、その他地域向け輸出が高い伸び

■introduction

財務省が2月21日に公表した貿易統計によると、08年1月の貿易収支は▲793億円の赤字(07年1月は▲35億円の赤字)となり、3ヵ月連続で前年よりも悪化した(ロイター事前予想:350億円、当社予想は▲3,893億円)。貿易収支は赤字となったが、正月休みの関係で1月はもともと輸出金額が少ないという季節的な要因があるため、このこと自体を悲観する必要はない。
輸出数量は前年比10.3%(12月:同7.7%)と伸びが高まったが、円高の影響で輸出価格が前年比▲2.4%(12月:同▲0.8%)とマイナス幅が拡大したため、輸出金額は前年比7.7%(12月:同6.9%)と3ヵ月連続で一桁の伸びにとどまった。
輸入数量は前年比▲1.9%(12月:同▲3.7%)と8ヵ月連続で減少した。原油高が輸入価格を押し上げたものの、円高の進展がそれを相殺し、輸入価格は前年比11.0%(12月:同16.5%)と伸び率が鈍化した。この結果、輸入金額は前年比9.0%(12月:同12.2%)と3ヵ月ぶりに一桁の伸びとなった。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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