12月BOE金融政策委員会~2年4カ月ぶりの利下げを決定

2007年12月07日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■見出し

・政策金利は5.5%に引き下げ
・景気減速の材料が出揃ってきたことが利下げの背景
・住宅、消費関連指標の悪化を受けて利下げ派が過半に増加した模様
・景気減速リスクを重視した運営継続の見込み

■introduction

12月5日、6日に開催されたイングランド銀行(以下、BOE)の金融政策委員会(MPC)は、政策金利を25bp引き下げ、5.50%とすることを決めた。
今回のMPCの議事と票決の内容は、19日の議事録公表まで明らかにならないが、声明文によれば、利下げは「景気減速の兆候が見え始めた」ことと、「金融市場の環境が悪化したことに加え、家計と企業に対する融資スタンスが厳格化しており、成長とインフレに対する下振れリスクが高まった」ことに対応するものであると説明された。同時に、「インフレ率は原油と食品価格の上昇により、2%の目標を上回る状況が続き」、「上振れリスクは残るものの、需要の鈍化で供給能力の制約が緩和することで、中期的にはインフレ率は目標水準に収束する」との見解も示された。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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