10月決定会合・福井総裁定例会見~不確実性の状況は先月と大きく変わらず

2007年10月12日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・金融経済月報:生産判断を上方修正
・定例記者会見:金融市場の混乱、米国経済の下ぶれリスク認識は先月と変わらず

■introduction

日銀は10月金融政策決定会合(10・11日)で現状維持を決めた。
日銀は前回9月に「世界経済を巡る不確実性が増している」と利上げを見送った。
福井総裁は会見(11日)で「生産・所得・支出の好循環メカニズムが維持されるなか、先行き物価安定のもとでの息の長い成長を続ける蓋然性が高い」としたが、金融市場の混乱については、「米国、欧州の金融市場ではいくつかの改善の動きが前回の決定会合以降みられている。ただし全体としてみると、なお不安定な状態が続いている」、また米国経済の先行き下振れリスクについて、「ダウンサイドリスクの高まりという点については、認識はまだ変わっていない」と前回会合から大きな改善がなかったことを明らかにした。
当面、日銀の「様子見」は続くことになる。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)