8月マネー関連~マネタリーベースは2006年2月以来の前年比プラスに

2007年09月10日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・貸出動向:8ヶ月ぶりに伸び率高まる
・マネーサプライ、マネタリーベース:マネタリーベースは2006年2月以来の前年比プラスに

■introduction

日本銀行が9月10日に公表した貸出・資金吸収動向等によると、8月の総貸出(平残、銀行・信金計)は前年比0.5%と19カ月連続のプラスとなった。伸び率が8ヶ月ぶりに前月よりも高まった(図表1)。社債調達から銀行借り入れに振り替える動きがあったようだ。
業態別には、地銀(同2.1%)が比較的堅調を維持しているが、都銀等は先月よりはマイナス幅を縮小させたが、同▲0.8%と5カ月連続で前年比マイナスとなっている(図表2)。
貸出先別貸出金(8/31日公表、7月分)を見ると、法人向け貸出は7月▲0.8%と3カ月連続でマイナスとなっている(図表3)。資金使途では、運転資金が2006年2月以来のマイナスに転じた(図表4)。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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