消費者物価(全国07年7月、東京07年8月)~コアCPIは6ヵ月連続のマイナス

2007年08月31日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・コアCPIは6ヵ月連続のマイナス
・8月のコアCPIは7ヵ月ぶりにマイナス圏を脱する可能性

■introduction

総務省が8月31日に公表した消費者物価指数によると、7月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は、前年比▲0.1%と6ヵ月連続のマイナスとなり、事前の市場予想(ロイター集計:▲0.1%、当社予想も▲0.1%)通りの結果だった。
ガソリン価格の上昇幅が前月よりも拡大した(6月:前年比2.4%→3.3%)ほか、原材料価格の上昇を小売価格の転嫁する動きが徐々に広がり、マヨネーズ(6月:前年比8.5%→7月:同11.9%)、ケチャップ(6月:前年比2.4%→7月:同6.1%)などの調味料の価格上昇(6月:前年比0.9%→7月:同1.7%)が目立った。
一方、昨年7月のたばこ税引き上げの影響一巡(6月:前年比9.1%→7月:同0.0%)により、たばこによる物価押し上げ(寄与度:0.06%)が剥落した。
総合指数は前年比0.0%(6月:▲0.2%)、食料(酒類除く)及びエネルギーを除く総合は同▲0.5%(6月:▲0.4%)であった。
消費者物価指数の調査対象584品目(生鮮食品を除くと523品目)を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、2006年半ば以降、上昇品目の割合が下落品目の割合を上回る傾向が続いている。
2007年7月の上昇品目数は6月の249から256(いずれも生鮮食品を除く総合ベース)へと増加し、「上昇品目割合」-「下落品目割合」は6月の6.4%から9.6%へと上昇した。単純な品目数というベースで見れば、物価上昇の裾野が広がりつつあると言えるだろう。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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